入国管理局より外国人大学生・専門的が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格(ビザ)をとるための「安定性」、「継続性」、「適正性」とは?

毎年1月頃からは、外国人留学生の就職シーズンになります。そして、多くの外国人留学生は、「技術・人文知識・国際業務」へ在留資格(ビザ)の変更申請をします。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格(ビザ)を取得するためには、

  1. 「基準適合性」・・・学歴要件や実務要件にあっていること。
  2. 「在留資格(ビザ)該当性」・・・その仕事が単純労働でないこと。
  3. 「安定性・継続性・適合性」

この3点が求められます。


【安定性・継続性とは?】

たとえば、新規設立の貿易会社に就職内定した外国人の大学卒業生がいたとします。業務は、貿易実務です。

簡単にいうと、大学を卒業しているので、「基準適合性」はOKです。貿易実務(国際業務)なので、「在留資格(ビザ)該当性」もOKです。

ここで入国管理局はどう考えるでしょうか?

入国管理局は、「いやいや待てよ!この会社、新規の会社だけど、長続きするのかな?」

そうです!この入国管理局が不安に感じる印象が、「会社」等の「安定性、継続性」になるわけです。


新規会社あるいは業歴の浅い会社に就職するときは、「経営・管理」と同様に「事業計画書」を添付すべきです。「事業計画書」を作成するには、会社の協力が必要です。

この「事業計画書」は、設立まもない会社が、銀行より融資を受けられる位の「事業計画書」を作成してください。「会社がお金を借りれる」くらいの事業計画書であれば、入国管理局の「技術・人文知識・国際業務」の在留資格(ビザ)をもらうには十分すぎる事業計画書とえいます。

新規の会社でなければ、「安定性、継続性」の立証として、会社の「売上規模」、「経常利益の状態」、「法人あるいは個人事業か?」、「業歴」等を示せば十分です。こうした実績のない新規設立会社では、当然、「事業計画書」が必要になるわけです。

事業計画がなければ、会社と外国人従業員であるあなたが、「労働契約」により給与20万円ととりきめても、払われるどうかわからなく、会社の「安定性、継続性」とともに、外国人のあなた自身の「安定性・継続性」もなくなります。


【適正性とは?】

事業(会社)の「適正性」とは、会社そのもの「労働契約」がしっかりしているものか?営業の許認可が必要な業種であれば、その「許認可を取得」しているかです。

1,労働契約について・・・会社ではたらく契約には「雇用契約」、「業務委任契約」、「派遣契約」などがあります。

・「雇用契約」は、会社の社員のような契約です。

・「業務委任契約」は、会社の社員ではないが、「ある仕事をやる」ことを取り決めたものです。「雇用契約」より「技術・人文知識・国際業務」の在留資格(ビザ)の許可の可能性は低くなります。もし、個人で「業務委任契約」をしているのであれば、「経営・管理」の在留資格(ビザ)を考えることも必要です。

・「派遣契約」でも「技術・人文知識・国際業務」の在留資格(ビザ)の取得は可能ですが、「雇用契約」より難易度はあがります。また、派遣契約が3ヶ月、6ヶ月ということであれば、当然、在留期間も3ヶ月、6ヶ月ということになります。

さきほどの「会社の継続性」と同様に、「はたらく契約」には「継続性」が求められます。

2,会社の「営業の許認可」について・・・法律にどおりに「許認可」をうけているか?ということです。

建設業に就職するのであれば、一定の金額の工事をしている会社であれば、建設業の許可が必要です。派遣会社に就職するのであれば、厚生労働大臣の許可が必要です。つまり「ヤミの会社でないこと」が必要です。


「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するには、「仕事の該当性」=「単純労働でない!」ことばかり注目されますが、実は、「安定性・継続性・適合性」も書面で入国管理局にアピールするポイントです。

行政書士 瓜生寛