入国管理局の在留資格(ビザ)である「経営・管理」が2016年は増加傾向にありました。
そもそも入国管理局は、この「経営・管理」の在留資格(ビザ)は、『外国ですでに経営をしている外国人』を対象としていたのです。「新規で会社をつくって・・・」というのは、あまり想定していなかったようです。
しかしながら、現在は、『日本人と離婚して在留資格(ビザ)がないから、「経営・管理」に・・・』、『難民認定手続きの外国人から会社設立して「経営・管理」に・・・』と最後の切り札のような申請が多いのも事実です。
「経営・管理」の在留資格(ビザ)にいたる経緯はさておき、不許可になる一例をみていきます。
- レストランを経営するにあたって、経営者が「料理人」である。
- 事業計画書が具体性に欠いてある。
- 「経営・管理」の申請をしたものの、おばあちゃんは実際に孫の世話をしていた。
他にも、不許可になるケースはたくさんあります。
【事業計画書について】
入国管理局は、事業計画書について、「経営者の意思のあらわれ」とみます。VISA GOODセンターにも、「お金はあるんだけど、事業計画書をつくってほしい!」という相談がよくあります。
よく聞いてみると、「会社をつくって在留資格(ビザ)がほしい!」だけの方がいらっしゃいます。事業計画は、経営者の方に考えてもらい、それらを整理し、書面にしていくのが私たちの仕事です。
事業をはじめるには、外国人のお客様のキャリア、経験等から「儲かるから事業をおこなう」わけです。その事業計画がなにもなく、「在留資格だけほしい!」という外国人が増えています。
そのような案件の入国管理局への申請が増え、「不許可」になるケースも多くなっているのです。すなわち、500万円で会社をつくるのは、最低条件であり、その先が大事!ということになります。
こんなケースもあります。外国人女性が、会社を設立し、「経営・管理」の在留資格(ビザ)を取得しました。事業計画や経営理念がなく、すぐに資本金である500万円がなくなってしまいました。会社の資金繰りのため、夜はホステスとして働いきはじました。このケースは、一見、美談のようにも見えますが、「資格外活動」で更新許可は、「不許可」です。
入国管理局に「経営・管理」の在留資格(ビザ)を申請し、社会保険が未加入で不許可のケースも目立ってきています。
日本の場合、会社を設立したとき、「国民保険」では、法律上ダメ!です。今まであまりうるさく言われていませんでしたが、会社は、「社会保険に加入(健保組合等)」に加入するのが義務なのです。
この手続き事務も、日本人の方でもわからない人がいる程、ややこし手続きなのです。
会社を立ち上げて在留資格(ビザ)をとる!と一言では簡単ですが、同時に「事業計画」、「社会保険加入」ということをもう一度見直してください。
行政書士 瓜生寛