日本に住んでいる永住者の親は中国に住んでいます。この親が病気になり、日本で面倒をみたいのですが、在留資格「特定活動」は許可されますか?(

VISA GOODセンター(ウリ行政書士事務所)にお問い合わせのあった案件です。

中国籍で在留資格(ビザ)・永住をもって日本で生活しています。この方の奧さんの父親(62才)が病気になり、また母親も病気がちになってきました。奧さんのご両親と、日本で一緒に住むことを考えていますが、「特定活動」の許可はおりるでしょうか?


結論から言うと、老親扶養の「特定活動」の在留資格(ビザ)はおりません。

まず、老親扶養のための在留資格というものは日本にはありません。
実際、「特定活動」という在留資格(ビザ)を便宜的にはてはめている形です。

その要件は、

  1. 70才以上の本国にいる親(65才以上でもきびしくなっています)
  2. 本国にいる片親のみ(一人の親はすでに死亡しているケース)
  3. 本国に親の面倒をみる兄弟等がいないこと。
  4. 日本で面倒をみる子供の収入がある程度あること。
  5. 本国にいる親は、本国でマンション等の資産がないこと。

以上になります。

このように見ていくと、老親扶養の在留資格(ビザ)は、非常にむずかしい案件といえます。


その他、親が病気であれば「医療」という在留資格もありますが、これは日本の健康保険制度が使えませんので、実費ということになります。

日本の高度医療をうける目的なので、日本の健康保険制度によらないのは当然です。

また、先ほどの老親扶養の特定活動がおりた場合は、日本の健康保険制度を利用できます。

しかしながら、入国管理局からすると、「今まで海外に住んでいた老人たちが、日本に来たとしても、これからもっと医療費がかかる可能性がある。そして、老人になってからの医療費負担を日本がするのはおかしい!日本の国益にならないのではないか?」という考えです。


もし、ご両親が日本にくるのであれば、「短期滞在」または病気が深刻なものであれば、「医療」ということになります。

行政書士 瓜生寛