VISA GOODセンターへの相談案件です。
中国人の男性で、平成21年10月より平成25年3月まで日本にいて、日本の大学を卒業しました(在留期間3年6ヶ月)。
ここで、在留資格更新の手続きはしておらず、在留資格(ビザ)はリセットされています。
一度帰国し、平成25年12月より日本の会社に勤務し、現在の在留資格(ビザ)は、「高度専門職1号」です(在留期間3年1ヶ月)。
中国人男性の奥さまもまた、平成25年12月に日本にきています。在留資格(ビザ)は「家族滞在」です。(在留期間3年1ヶ月)
中国人男性のお子様は、平成26年11月に日本で生まれ、在留資格(ビザ)は「家族滞在」です(在留期間2年2ヶ月)
中国人男性の心配は、奥さまとお子さまが、3ヶ月ほど、お父さんの看病のため中国に帰国していて、帰化に影響がでるか?ということです。
【帰化するためには?】
この場合の帰化は「普通帰化」となります。
要件は、
- 住所要件(引き続き5年以上日本に住所を有すること)
- 能力要件(20歳以上で能力を有すること)
- 生計要件
- 素行要件
が主な要件になります。相談の方の要件は、「3.生計要件」、「4.素行要件」は問題がないようです。
それでは、「住所要件」について説明します。
【住所要件(引き続き5年以上日本に住所を有すること)】
『引き続き5年以上日本に住所を有する』ときとは、「再入国の許可を得ている」あるいは「みなし再入国」である場合は、引き続きに日本に住所を有するものとして取り扱っています。今回の場合、3カ月間、お父さんの看病で帰国していたということですが、お父さんの病状、診断書を添付すれば、さほど問題にならないと考えます。
在留資格(ビザ)は、現在、「高度人材1号」ということですが、それ以前の「技術」の在留資格(ビザ)で来日し、日本に住所を決めた日が、起算点になります。
このお客様の場合は、平成30年12月には、帰化申請ができるということになります。
【奥さまの帰化は?】
奥さまにも帰化の住所要件は適用されるので、平成30年12月には帰化申請ができるということになります。
【お子さまの帰化は?】
お子さまは20歳以上になっていませんが、父母が帰化申請により、父母の帰化が認められれば、「日本人の子供」ということになります。したがって、「5年以上日本に住所がなければいけない」という住所要件が免除され、同時に能力要件も免除されるため、帰化申請できることになります。最短、平成30年12月には、帰化申請ができることになります。
【帰化申請までの注意点】
あまり中国に帰らず、できるだけというような言い方しかできませんが、日本にいた方がいいです。また、勤務先も変えないほうがいいと思います。
【中国の公証書との有効期限】
帰化時の海外の書類の有効期限は1年という法務局が多いですが、法務局により対応も違うため、確認が必要です。
【帰化ではなく永住は?】
現在、「高度専門職1号」ということであり、3年後である今年(平成29年)6月頃には、「高度専門職2号」に変更の可能性があります。「高度専門職2号」となれば、在留期限は「無期限」になります。しかしながら、注意点は、転職した場合、「在留資格変更申請」になり、再度、高度人材の再度点数計算が必要になります。
「高度専門職2号の在留期限は無期限」と「永住」の違いは、「高度専門職2号」の場合は、会社等に勤務して、それなりの収入があることが必要です。
また、「高度専門職1号」と「高度専門職2号」の期間を合算して、「4年6月」で、永住許可申請が可能となります。この中国人のお客様の場合、平成31年1月頃に永住許可申請が可能であると考えます。
帰化すると、日本人になってしまうので中国で帰国の際、在留期間の問題等も発生する場合もあると聞きます。「帰化」にするか「高度専門職2号」にするか「永住」にするか、色々な側面から検討していただくとともに、いつでもご相談していただればと思います。
行政書士 瓜生寛